京都と二十四節気〜季節を感じる、しなやかな旅のひととき〜
日本には、春夏秋冬をさらに細やかに分けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」という美しい暦があります。このページでは、そんな季節のうつろいと共に楽しむ京都の魅力を、二十四節気になぞらえてご紹介します。
いつ訪れても、きっと“今だけ”の京都に出会えるはずです。
古の暦にふれる 〜二十四節気とは〜
二十四節気(にじゅうしせっき)は、古代中国で生まれた暦法で、太陽の動きをもとに一年を24の節目に分けたものです。
日本には奈良時代に伝わり、平安時代以降、宮中の年中行事や農作業の目安として定着していきました。
現代でも、立春や夏至、霜降などの節気名は、季節の風物詩とともに親しまれています。
とくに自然のうつろいが美しい京都では、花や風、光の変化がこの節気ごとにくっきりと感じられます。
二十四節気は、ただのカレンダーではなく、
自然と調和して生きるための知恵が詰まった、こころ豊かな季節のしるべです。春夏秋冬をさらに細かく分けた、自然とともに生きるための暦。
京都のまちは、その節気ごとに色を変え、風を変え、香りを変えて、訪れる人の心をやさしく包み込みます。
🌸 二十四節気の一覧と、京都にめぐる季節の風景
春のはじまり「立春」、そして「雨水」には、神社の梅がほころび、「啓蟄」では土のぬくもりとともに、動き出す自然の気配が感じられます。
「春分」には嵯峨野の竹林に光がさしこみ、「清明」では鴨川沿いの桜が満開に。
「穀雨」には、雨にぬれた青もみじがしっとりと美しく映えます。
「立夏」から「小満」「芒種」にかけては、新緑がまぶしく、
南禅寺や東山界隈の散策が心地よい季節。
「夏至」や「小暑」には、祇園祭の気配がまちにあふれ、「大暑」には五山の送り火の準備がはじまり、暑さのなかにも伝統が息づきます。
「立秋」「処暑」では、夕暮れの鴨川に涼しさが戻りはじめ、「白露」「秋分」には、東福寺の苔と紅葉が静かに色づきます。
「寒露」「霜降」では、北山や嵐山の山々が赤く染まり、秋の深まりを告げます。
「立冬」からは洛中に冬の気配がただよい、「小雪」「大雪」では、雪化粧の金閣寺や清水寺が幻想的な美しさに包まれます。
「冬至」には柚子湯に浸かってあたたまり、「小寒」「大寒」では、凛と冷えた空気の中に、新しい春を待つ静けさが広がります。
――京都の四季は、ただの季節の移ろいではなく、節気ごとにめぐる、小さな物語のような風景に満ちています。