京都の歴史をめぐる小さな旅〜平安京から坂本龍馬まで、時を超えて歩くまち〜

京都を歩いていると、どこか懐かしくて、まるで時代を旅しているような気持ちになります。
古都・京都は、千年以上もの歴史を歩んできたまち。
そんな長い年月が、今の町並みにそっと息づいています。
この記事では、京都の歴史を親しみやすく、そして少し踏み込んだ視点から、ふんわりと紐解いていきます。
平安京の誕生 〜794年、都がこの地にやってきた
794年、桓武天皇によって都が奈良の平城京から現在の京都へと移されました。
これが「平安京(へいあんきょう)」です。
中国の都城制や風水をもとに設計され、碁盤の目のような町並みがつくられました。
現在の京都市街の通りにも、この名残がはっきりと残っています。
ここから京都は、日本の政治と文化の中心として約1,000年ものあいだ栄えていきます。
貴族文化と宗教の花ひらく都へ
平安時代中期、藤原氏を中心に貴族文化が発展しました。
『源氏物語』や『枕草子』に見られるような、自然や季節、恋心を大切にした美意識が育まれました。
また、仏教も広がりを見せ、数多くの寺院や神社が建立されました。
世界遺産の清水寺や、古代の信仰を受け継ぐ下鴨神社もこの時代に深く関わる場所です。
応仁の乱と、戦乱の世
15世紀、京都では大きな戦乱が起こります。
それが応仁の乱(1467年〜)です。
将軍家の後継争いや、守護大名たちの対立によって京都は10年以上も戦火に包まれ、町の大部分が焼けてしまいました。
荒廃した町はやがて復興され、やがて茶の湯や町人文化など、独自の文化が芽生えていくことになります。
幕末と維新、坂本龍馬が駆けた京都
江戸時代の終わり、京都は再び歴史の大舞台に登場します。
幕府と倒幕派の対立が激しくなり、全国の志士たちがこの地に集結しました。
その中の一人が、坂本龍馬(さかもとりょうま)。
彼は薩摩と長州を結び、明治維新のきっかけをつくった人物として知られています。
京都・伏見にある「寺田屋」は、龍馬が襲撃を受けた場所として有名です。
今も当時の雰囲気を残しており、多くのファンが訪れます。
現代につながる、”千年のまち”の魅力
明治時代に入って都は東京へと移されましたが、京都には、歴史と文化が色濃く残されました。
石畳の道、町家、古いお寺や神社…。
そのひとつひとつに、長い時間が静かに積み重ねられています。
旅の途中で、ふと「この場所には、どんな歴史があったのかな」と思う瞬間があれば、
それはきっと京都の魅力にふれた証。
“千年の記憶”に包まれながら、やさしい時間を過ごしてみてください