【世界遺産】比叡山の静寂に包まれて 祈りの聖地・延暦寺(えんりゃくじ)
mimiko

京都と滋賀の境、比叡山(ひえいざん)の中腹に広がる延暦寺(えんりゃくじ)は、1200年を超える歴史をもつ天台宗の総本山。
比叡山全体を「お寺」とする特別な存在で、古くから「日本仏教の母山」とも呼ばれています。
山の中に広がる祈りの空間
延暦寺は、厳密にはひとつのお堂ではなく、「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」という3つのエリアに分かれています。
中でも中心となる東塔エリアには、本尊「薬師如来」を祀る根本中堂(こんぽんちゅうどう)があり、最澄(さいちょう)によって開かれたこのお堂では、1200年以上絶えることなく灯り続ける「不滅の法灯」(ふめつのほうとう)が今も静かに輝いています。
木々に囲まれた境内は、季節ごとに表情を変え、春の芽吹き、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、まさに四季の中に息づく祈りの場。
静寂の中に身を置くだけで、心がすっと軽くなるような、不思議な安心感に包まれます。
歴史の重みと新たな一歩
延暦寺は、最澄が788年に開創して以来、多くの名僧や文化を育んできました。法然、親鸞、道元、日蓮など、日本仏教の各宗派の祖師たちも、かつてこの山で学んだといわれています。
また、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産としても登録されており、信仰・修行・文化の重なりを今に伝える貴重な場所です。
ちょっとした旅気分で
延暦寺へのアクセスは、京都市内から少し足を伸ばした日帰り小旅行のような感覚。
比叡山ドライブウェイや坂本ケーブルを使えば、景色も楽しみながらのんびり訪れることができます。
山の上は空気がひんやりとしていて、夏は避暑地としてもおすすめです。
お寺巡りとはまた少し違う、自然と信仰に抱かれる時間を、ぜひ一度体験してみてください。
比叡山|基本情報
- 名称:比叡山延暦寺(ひえいざん えんりゃくじ)
- 所在地:滋賀県大津市坂本本町4220
- アクセス:京都駅からJRで「比叡山坂本」駅 → ケーブルカー利用など
- 拝観時間:9:00〜16:00(季節により変動あり)
- 拝観料:大人1,000円(東塔・西塔・横川共通券)
- 公式サイト:https://www.hieizan.or.jp
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