【世界遺産】醍醐寺(だいごじ)|桜に包まれ、歴史にふれる、京都伏見の名刹

京都・伏見の静かな山あいにたたずむ、真言宗醍醐派の総本山「醍醐寺」。
874年、理源大師・聖宝(しょうぼう)によって創建され、のちに修験道の聖地としても栄えました。山上の「上醍醐」と、麓の「下醍醐」からなる広大な寺域をもち、自然と信仰がとけ合うような風景が今も残されています。
1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録され、四季を通じて多くの参拝者や観光客が訪れる名刹です。
豊臣秀吉も愛した「醍醐の花見」

春になると、醍醐寺は一面桜の園に。境内には約1,000本の桜が咲き誇り、特に「しだれ桜」が見頃を迎える頃は、幻想的な光景に包まれます。
なかでも有名なのが、豊臣秀吉が晩年に催した「醍醐の花見」。三宝院の庭園をはじめ、境内のあちこちを舞台に豪華な宴が開かれ、今なおその歴史の面影が漂っています。
国宝の五重塔と歴史ある伽藍

下醍醐の中心にそびえる五重塔は、951年に建てられた京都府内最古の木造建築。高さ約38メートルを誇り、どっしりとした佇まいで静かに空を仰いでいます。内部には、平安時代の密教仏画が残されており、格式高い文化遺産としても貴重な存在です。
ほかにも、金堂や不動堂、薬師堂などが整然と並び、どれも趣のある建築ばかり。自然に囲まれた静けさのなかで、古の祈りが息づいているような時間が流れます。
三宝院と霊宝館も見どころ

秀吉の花見にも使われた三宝院は、僧侶の住まいでもありながら、豪華な庭園と書院造の建築が残る見ごたえある場所。庭園は「特別名勝」に指定され、池泉回遊式の美しい造形が四季折々に表情を変えます。
また、霊宝館では醍醐寺に伝わる貴重な仏像や絵画、書跡などが公開されており、特に春と秋の特別公開時には多くの文化財にふれることができます。
醍醐寺| 基本情報
- 名称:醍醐寺(だいごじ)
- 宗派:真言宗醍醐派 総本山
- 創建:874年(貞観16年)
- 開基:理源大師 聖宝
- 所在地:京都市伏見区醍醐東大路町22
- 拝観時間:9:00~17:00(受付は16:30まで)
- 拝観料:季節や公開施設により異なります(春・秋は特別拝観料)
- アクセス:地下鉄東西線「醍醐駅」から徒歩約10分
- 醍醐寺公式ホームページ:https://www.daigoji.or.jp/

ゆっくりと山を歩きながら、静けさと美しさを感じられる醍醐寺。
桜の季節はもちろん、新緑や紅葉、冬の雪景色もおすすめです。
日常から少し離れて、心をほどくひとときを過ごしてみませんか?