京都・三条大橋を歩く 〜東海道の終点、旅のはじまり〜

江戸からはじまった東海道五十三次。
約500kmの道のりをたどったその終着点が、京都・三条大橋です。
鴨川のせせらぎを聞きながら、広重の浮世絵や、弥次喜多の物語に思いをはせてみるひととき。
昔と今がゆるやかにつながるこの橋の上で、旅の終わりと、京都の新しい時間が重なります。
三条大橋とは?

三条大橋は、京都・中京区と東山区のあいだを流れる鴨川にかかる橋で、東海道五十三次の最終地点(=ゴール)として知られています。
江戸時代、旅人たちは日本橋からはるばる歩いてこの橋にたどり着きました。
現代の私たちでもこの場所に立つと、なんだか感慨深い気持ちになります。
歴史の面影が今も残る

三条大橋には、今でも擬宝珠(ぎぼし)という装飾がついていますが、その中にはなんと刀傷が残っているものも。
これは、戦乱の時代に武士が剣でつけたといわれ、当時の緊張感や歴史がそっと伝わってくるようです。
弥次さん(やじさん)と喜多さん(きたさん)の像も

橋の西詰(中京区側)には、どこかコミカルな雰囲気の2人の像が。
これは江戸時代のベストセラー旅物語『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅう ひざくりげ)』の主人公、弥次さん(やじさん)と喜多さん(きたさん)です。
とぼけた表情の2人が、まるで「とうとう京都に着いたねぇ」と話しているようで、旅人だった彼らの“ゴールの瞬間”を表しているのかもしれません。
思わず一緒に写真を撮りたくなる、京都らしいワンシーンです。
現代の三条大橋とその周辺

現在の三条大橋は、観光や通勤通学で行き交う人も多く、鴨川沿いにはベンチやカフェ、川床もあってにぎやかです。
夕暮れ時には川面がきらめき、少し歩けば祇園や先斗町にもすぐ。
橋の上から眺める鴨川の風景は、どこか旅の終わりと始まりが交差するような不思議な気持ちになります。
むすびに
東海道の終点としての歴史、旅の文学に登場する名コンビ、そして今の京都の景色と暮らし。
三条大橋には、そのすべてがゆるやかにつながっていて、立ち止まってみるたびに、また新しい一面を見せてくれます。
京都に来たら、ぜひ足をとめて見てほしい橋のひとつです。
所在地
京都府京都市中京区三条通大橋東詰〜西詰(鴨川に架かる橋)
京阪電車「三条駅」または地下鉄東西線「三条京阪駅」すぐ
